経歴|Biography
1938年福島県生まれ。本名強士。
15歳で東京都台東区にある佐藤工房に入門。
1972年にサトー彫刻として独立。
仏像をはじめ社寺の装飾品や日常品なども制作。
資格|Qualification
東京都伝統工芸士 Tokyo traditional craftsman.
受賞歴|Award History
2019年 東京手仕事 優秀賞 受賞
受注により様々なクライアント様のご依頼で制作を行って参りました。現在、商品開発や新規事業の制作などにも支援させて頂き、お手伝いをしております。
上記受賞歴の東京都公社運営「東京手仕事」について詳細は、以下のページからご覧いただけます。
https://www.koho.metro.tokyo.lg.jp/diary/report/2019/06/03/01.html
現在、これまでの作品を集めた画集を制作中。近日中に公開させていただきますので、本作家展示などにご来場された際に、ぜひご覧頂ければ幸いです。
15歳で江戸木彫刻の世界に入り、
70年近くの年月その手に込めた思いで
作品を彫り続けてきた佐藤岩慶氏。
寺社仏閣の装飾や仏像、能面、紋看板など、
その作品は多岐に渡る。御年83歳。
朝のラジオ体操
30分ほどの散歩
お酢を飲むこと
認知症予防のための入浴が日課。
色んな人と会うのが好きで、
皆様の幸せを願っているという氏の作品には、
どこか懐かしい心象風景を思わせるものがある。
今製作中だという作品、キタキツネや布袋さん
などの表情を見ると、大人になるに連れて
心の奥に仕舞い込んでしまった、幼い頃の
純粋な自分を思い出させてくれる様な
温かさを感じた。
「 深さを表さなければいけないから
心の勉強をする 」
という。
それらの作品はどのように作られていくのだろう。
写真などを参考に大きさを決め、
正面と横と裏の絵を描き、
それを見ながら彫るという。
自作の”秤”を用いる時もある。
モチーフに合わせて檜、クスノキ、
ケヤキなどの木材を選ぶが、
材料に合わせて形が思いつくこともある。
デザイナーの清水氏とは、
「東京手仕事」で出会った。
江戸職人伝統の技に光を当て、
匠の繊細な”手仕事”の魅力を国内外に
発信していく東京都のプロジェクトだ。
彼らの作品 ”しずくの香り” のモチーフ、
花 ・ 葉 ・ 雲 は 木彫刻の世界 では
よく使われるそうだ。
まず、清水氏が上面図と側面図を作成し、
それを佐藤氏が図面で再現。
絵を出力して木に貼り、電鋸などで切り抜いて、
彫りながら調整していくという。
何回も試行錯誤し、
高さなどはミリ単位で調整した。
撥水加工が施されており、特殊なオリジナルの
エッセンシャルオイルを垂らす。
すると、雫が美しく転がり、
その様は、まるで草花の上を自由自在に
戯れる朝露のようだ。
家族や、町内会の方々との交流を大切にされている佐藤氏。
終始笑顔をたやさず、穏やかに人や空間、
時間を慈しんでいるように感じた。
まるで、前述した布袋さんのようだ。
身近な者たちを大切に想える心は、
人々を敬い、幸せを願う心を込めた作品作りに
繋がっているように思う。
取材・文 yolis
各掲載記事参照